明治27年創業のオガタマ酒造。大正末期に造られたレンガ造りの蔵で熟成される焼酎を守り続けています。 蔵元では、「温故知新」(古きをたずね、新しきを知る)時代の先端をいくような商品造りではなく、昔ながらの製法にこだわった商品造り、良い商品を今の時代にあった製品として、蘇らせるというような過去の歴史の中から新しいものを発見するということをテーマにして展開している蔵元です。
川内市の実力者「山本実彦」が昭和に時代が変わった頃、出版界のつながりの中、与謝野鉄幹、同夫人晶子、斎藤茂吉、菊池寛などを自分の故郷川内に次々に招待し、薩摩川内の文化、歴史、自然、そして芋焼酎を紹介し、他の訪問地であった「霧島、指宿、出水」よりも印象深かった場所だと言わしめています。
そうした背景の中、オガタマ酒造では、看板酒となる芋焼酎の酒銘に「鉄幹」と名づけました。他にも「蛮酒の杯」は、江戸の漢学者・頼山陽の詩から拝したものであり、創業以来、昭和を代表とする文化人に愛されつづけた証のある老舗蔵元なのです。
オガタマ酒造では、仕込みを終えた焼酎をそのまま甕に貯蔵し、五年後、十年後、それ以上貯蔵したヴィンテージ焼酎を造りだしてます。その代表作が「芋焼酎 秘蔵の酒 蛮酒の杯」です。 鉄幹蔵最上級酒の甕壷貯蔵古酒であり、芳醇な香り、そしてその味わいは他の追随を許しません。「ヴィンテージ芋焼酎」という新しい概念の逸品は、オガタマ酒造ならではの作品であり、いち早く世界では、今期2008年のモンドセレクションにおいて”最高金賞”の栄誉を与えました。
封印された100甕超の貯蔵量を誇る蛮酒蔵は、温度面・衛生面に最新の注意を払い、五年後、十年後、それ以上貯蔵し、じっくりと”その刻”を待っています。 封印がとけた芋焼酎には、とろりとした口当たりとのど越しスッきりの中にもコクのある旨みがあり、”芋焼酎の別世界”を我々に見せてくれています。
昔から焼酎造りの技術を持っていた蔵の中には、幼い頃から何十年もの長きに渡り、その蔵だけで焼酎造りに携わっている杜氏がいました。 その人々は地杜氏と呼ばれ、その地の自然をくまなく知り尽くし、その地でなければできない逸品と言われる素晴らしい焼酎を生み出すことのできる、まさに杜氏の中の杜氏と尊敬されています。 その地杜氏に仕え、苦楽を共にし、15年もの歳月の間、ただひたすらに旨い焼酎を作り続け、修行をした杜氏がオガタマ酒造の杜氏なのです。 2008年世界モンドセレクションでは、”最高金賞”を「蛮酒の杯」「二天一流」でダブル受賞しました。
焼酎造りの名人、杜氏のもつ匠の技は、究極の品質を極めるためにあります。 杜氏は、究極を目指すために、焼酎造りに一生を捧げると言います。 自分の仕事に誇りを持ち、何よりもまず焼酎造りを優先する、それが杜氏の生き方なのです。杜氏は言います「杜氏は焼酎がどれだけできるかではなく、真に良い焼酎造りを念願に置き、どんな焼酎ができるかを絶えず考え続けているのです」と。
杜氏の焼酎人生のすべてを傾けて作り上げたのが、古式甕仕込み焼酎「鉄幹シリーズ」。ー「温故知新」ー伝統の技術を今に生かした逸品たちに我々焼酎ファンの賞賛の拍手は鳴り止むことはありません。 |